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秋の野草&松虫たち [台峯を歩く]

お彼岸のせいもあって参加者が12〜3名だったので、かえってゆっくりと道端の野草の花を眺めながら歩きました。雑草として見過ごされてしまいそうな草も、精巧で見事な花をそれぞれに咲かせていることに感嘆しました。案内してくださる久保さんは、野鳥の会の会員だそうですが、台峯の生き物の種類だけでなくその生態や日々の暮らしまでを、つぶさに知っているような人なので、そんな観察が可能なのでしょう。(でも教えられても直ぐ忘れてしまう生徒のひとりの、私です)

先ず第一の田んぼでは、まだ葉は青いけれど稲穂が首を垂れていました。でもこのあいだの台風の影響による強風で、倒れ臥したところがあり、少し心配だと言うことです。かなりひどいので、これを人手を使って起き上がらせないと、籾から芽を出したりして自力では起き上がれないかもーと。

白萩があふれるように咲いている家の前を通って第二の田んぼへ。
ここは谷あいにあるためか、風の影響がなかったようで、倒れたものはありませんでした。しかしその隣接したところには宅地売り出しの幟が何本も立っていて、この田んぼもいつまでか、と言う思いです。
この周りで、たくさんの野草とその花を観察しました。
コセンダングサ、オオイヌタデ、オオケタデ(アカマンマといわれるイヌタデの他、タデ科は色々あって、とにかくそれぞれが違っていて、というふうに野草の奥もまた深いことを知らされます)。
蔓になって絡み付いていて、白いビニール紐が丸まったようなのは花ではなく(花は十字の白い花弁を持ってこれも美しい)花が終わった萼(ガク)で、それはしだいに白い髭のようなものに変化して(それらしきものが出掛かっているのを教えられる)それで、センニンソウ(仙人草)と言うのだそうです。なんと昔の人は、よく観察して、こういう名づけをしたものか・・・
こんな風に、一つのところに留まって、周りを丹念に眺めるだけでも、久保さんのような人と一緒だとそこで何時間でも費やす事が出来るというようなことを、感じます。そんな風ですから、今日の歩きは少数でのんびりと歩きました。なんでもない一本の草、触ってごらんといって触ると、なるほど猫の毛を撫でるような感触がある。だからこの小さな萩に似た葉を持つ草は、ネコハギ(猫萩)というのだそうです。
そんな風に時間をとりながら歩いたので、谷戸に入ったのは少し遅く、途中からは雨になり、だんだん強くなって、帰途はざんざん降りで、後に土砂降り、折りたたみは念のため(予報では夕方から雨)持っていたのですが、傘も役に立たないほどずぶ濡れになってしまいました。

しかし今回はもう一つ、松虫を眺められたことが記憶に残ります。「松虫を聞く会」があったことを私は知りませんでした(残念)。でも、今日は老人の畑といわれている見晴らしの良いところに、たくさん昆虫が見られ(ここも彼らが棲めるように、草刈をしたときにキンミズヒキの草むらなどをあちこちに残したりしたそうです)、バッタ、オンブバッタ、エンマコウロギ、そして松虫の雄と雌をじっと見ることが出来ました。でも残念ながら虫たちは夜にならないと鳴いてくれません。
松虫は、ここしかいないそうで、ここは貴重な場所と言う事。またセイタカアワダチソウは、はびこりすぎるので抜きますが、カンタン(邯鄲)は、ここに棲むらしく、それを残しておく必要もあるとか。自然の調和と言うものは早計な人間の判断を超えたものがあります。
ヒメジソと同じところに咲いていたキツネノマゴの違いは? 教えられて、成る程。キツネのムスコはあるのかなあなど、冗談。とにかく野草・雑草と言うものも、虫になって潜り込むと、まさにジャングルなんですね!

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