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台峯の初歩き [台峯を歩く]

この冬は特別に寒く、大雪になりましたが、それがまだ解けやらぬ日曜日の台峯歩きに参加しました。雪で浄化されたような冬晴れで、その陽射しに心は誘われます。メンバーは14、5人程度、幼い子供たち3人も最後までちゃんと歩き、むしろ大人たちより溌剌としているほど。
寒いとはいえ、Kさんによれば1月にこのような雪、大雪になるのはむしろ温暖化しているせいだとのこと。なぜなら、これは通常の冬型ではなく、春先の気圧配置になっている証拠だというのです。
このように自然も異常なことが多いですが、しかしどこまでが異常と言えるのかどうか、それも難しく自然というのはどう仕様もないものであり、それをいちいち気にしても仕方なく、仕様があることだけを何とかするしかないですね…とも。

まだ雪があちこちに残っているので、その上を歩いた足跡についての話が出て、昔はこの辺りにいた野兎が、最近は全く見られなくなったという話も出ました。野兎の姿などはなかなか見られないがこの雪の季節はその足跡で追跡し、見ることができたのだとか…。
理事の一人が何年か前に見た一匹が絶滅寸前の最後の姿かも―という話になりました。

花はほとんどなく、わずかに蠟梅の黄色、それが真っ青の空をバックに陽射しを浴びてまさに蝋細工のように映えて美しい。そのことと冬場には鳥の姿が捉えやすいということですが、その中でも出会うことが稀なウソを目撃したことだけでも歩いた甲斐がありました。一列に並んで歩いている私たちの全員が皆見られるほどの時間(驚かさないように静かにゆっくり歩いたのですが)、ゆっくり雪かその下にあるものを啄んでいました。

今日は常緑樹の、葉っぱの識別をすることを主として観察しましたが、これがなかなか難しい。この地の多いタブを始めシロダモ、ヤブニッケイ、タブと似ているアカガシ、アラカシ、シラカシ、そしてスダジイ、本来はここにはなかった南の国からやってきたクスなどの葉っぱの写真と解説を手にしながら歩いたのですが、実物はその通りではないのですから。見分け方はその形だけではなく葉のふち(ぎざぎざがあるかどうか)、葉脈がどう走っているか、葉の色や艶、葉柄はどうかなど手にしたものをKさんに見てもらい教わりながらですが、なかなか覚えられません。これはもう場数を踏むしかないのです。

稲田でちょっと珍しいものを見ました。収穫はとっくに終わった田んぼに建築現場のような稲架が丸木でしっかり組み立てられているのが残っていました。それはここの田んぼ(第2と呼んでいる)の一部が手放され、干す場所が狭くなったので作らざるを得なくなったのだとか。ここには間際まで宅地開発が迫っているのでした。

大雪で倒木があり又雪の重みで頭を垂れて通路を塞いでしまった笹薮を刈り取ったりして、前日理事をはじめボランティアの人たちが整備をしてくださったことに感謝しながら、まだ雪が残ったりしているので用心しながら、何とか最後まで無事に歩き通しました。
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もみじが美しい台峯歩き [台峯を歩く]

16日の今日は投票日と重なってしまいました。帰りに投票しようと投票用紙を持って出かける。ところがいつもの集合場所の公会堂に来てみると、その前に理事の一人が立っていて、今日の集合場所は駅前ですという。公会堂が投票所になるからである。当然そうなることを、考えていなかった。慌ててそこから引き返して駅前に行く。そこを通る時、今日は又どこかのグループが集まっているなあ…と眺めていたのにと、苦笑してしまった。

台峯の人たちと思わなかったのも、今日は初めての参加者も多く、また子連れが3組もいたせいかもしれない。あとひと月で3歳になるという子どもから小学前の子どもたちが5,6人もいて全体で30人近くになっていたからである。
しかし昨日の雨はすっかり上がって雲ひとつない秋空、空気は澄んで陽射しが温かい。
例年のようにこの時期の歩きは、紅葉や落ち葉の観察や葉を落とした木の梢や幹の識別をしながら鳥の声に耳を澄ませる。子どもたちもちゃんと歩き、またKさんは、水辺では蛍の餌になるカワニナ(ここのはよく見られる縞がなく全体が真っ黒というのが特徴という)を水に手を入れて採らせたりしている。子供たちにとって良い体験になることだろう。しかし出口のところで、皆から感心感心と褒められていたのに、ぬれた落ち葉に滑ったか転んで、泣き出してしまった。でもこれも大したことではなく間もなく泣き止む。

落ち葉ひとつとっても、葉の形は言うまでもなく、葉脈の走り方、ギザギザ(鋸歯)の付き方、葉の形や厚さ、薄さ、どれ一つ同じものはなくそれぞれにユニークで、究めようとすれば奥が深い。それは自然というものの奥深さでもある。この辺りの黄葉は大体遅いのでが、今年は特にいつまでも暑かったので木々はくすんで黒ずんでいたが、やっと美しくなってきた。わが家の満天星やハゼも散る寸前の鮮やかさである。
見晴らしのいい老人の畑から見るなだらかな丘陵も、春とはまた違った落ち着いた色合いに染まって美しかった。雨上がりで風もないので、降り注ぐ暖かい陽射しの中で友禅か何かの着物色合いを思わせる眼前の情景である。ここで一休みして、いよいよ谷戸に入っていく。
雨が降った後だしすべりやすく、ぬかるみもあるので用心しながら歩き、ここからはかえって歩調ははかどり湿地帯を見下ろし、背高いハンノキたちを眺め、沼に至り、その先の水たまりでカワニナやその歩いた跡などを教わりながら出口に向かう。
誰も迷うことなく、全員無事であることを確かめ合ったのち解散した。
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秋晴れの「台峯歩き」 [台峯を歩く]

上空には一片の雲すらない、秋晴れの絶好の行楽日和となった。
山頂にわずかに白雲をたなびかせた富士山が、少しかすみながら遠望できる。

今日は20人ほどの参加者の中に5人ほども初参加の人がいたので、Kさんも説明などに張り切っていた。そこで最初は、駅前のバスの停留所の向かいにある海軍の石碑のところに足を止めた。海軍省が昭和16年に建てたと刻まれているこの碑は、この辺り一帯がその頃要塞の一つとして重要な地であったことを示したものである。北鎌倉は海軍の町だったそうだ。そのため高台にあたる台峯は、主として海軍の将校たちの住宅があったのだという。歩く会の休憩地である「老人の畑」からは横須賀線のプラットホームが遠望できるが、そこから軍港のある横須賀まで電車に乗っていく軍人さんがこれが最後かもしれないと台峯を眺めながら乗り込んで行ったこともあるかもしれない…とも。

今年は暑かったせいで夏の花がまだ残っている。しかしそれに反して冬鳥の飛来が早いという。
アオジ、シメなどがもう来ている。モズもそうだがキビタキは今までにないほど数が多いそうである。それゆえ紅葉もかえって早いかもしれないとのこと。
今回は主にイネ科の植物に注目しながら歩く。皆地味な草だが、鳥たちの食糧である。猫ジャラシに似ているがもっと猛々しいチカラシバ、線香花火に似た穂を出すオ(雄)ヒシバ と メ(雌)ヒシバ。大きな穂を出すノガリヤス、それを繊細にしたようなカゼグサ(群生すると石鹸の匂いがするというけれど…)。葉っぱがフナに似ているからというコブナグサ。
花は、この季節にふさわしいヨメナ(いわゆる野菊といわれるもの)。夏の花だがまだツリフネソウ(蜜が美味しいので吸ってみてくださいと言われたので試してみたが、もう昆虫に吸われた後のようで蜜はなかった)やミゾソバも多く見られた。面白いのにアキノウナギツカミというのがある。花は小さく黄色っぽいが、茎にギザギザがあって、昔はこれを束ねてウナギを取ったからではないか…と。

田んぼではもう稲刈りが済んでいて稲が干されていたが、このところの雨でぬれていた。暑い夏で台風の被害もなかったので豊作なのだろうか。トンビが上空を悠々と何度も旋回していた。風もなくいい日和である。モズの声が時々する。I さんが、このモズは声が悪い! とけなす。モズは賢くて他の鳥の真似もできるとのことだから、もしかしてカラスの声をまねたのかも?
「老人の畑」では、横浜から来たらしい小学生たちがお昼を食べていた。周りのススキ原が美しい。
そしてコースの出口辺りのオギ原(まだ白くなってなくて赤みを帯びているが)が、外来種で繁殖力の強さから嫌われ者であるセイタカアワダチソウもこれほど群生すると見事で、両者のコントラストが目を楽しませてくれた。
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お天気定まらぬ日の台峯歩き [台峯を歩く]

居座る太平洋高気圧、沖縄には大型台風接近、不穏な世界を反映したかのようにお天気も不安定で過激、そんな切れ端を少しだけ浴びたような台峯歩きでした。

予報では処によってにわか雨も、と言っていましたが、朝は薄い雲はありながら晴天でほっとしていましたら、集合場所に着く前にもう雨が降り始めました。まさににわか雨、着くころはもう上がっていたのです。
K さんは鎌倉に住んでいるのですが、トンネルを抜けると…、こちらは雨なので驚きました、とのこと。こちらの北とはそれほどの違いがあるとのことです。トンネル(鎌倉山)を境にして海沿いと山沿い、植物にも昆虫にも違いがあり、そして人の気質にも違いがみられるようだという話を面白く聴く。今日は初参加者も4~5人いて、20数人。薄日も射す中歩き出しました。
第一の田んぼはまだ青い葉ながら黄金色の穂を垂れ、第2の田んぼは陰のため少し遅れていたのですがやはり実りの穂をつけていました。まだ赤トンボは山から下りて来ずシオカラトンボ、オオシオカラトンボが数匹残っている。昔皮から繊維をとったカラムシ、小さなイチジクの実に似ていてもイヌビワ、これは黒く熟すと食べられるという、白萩、撫でると葉が猫の毛のような感触のネコ萩、南天萩。また昆虫では一文字蝶、セセリ蝶(蝶ではないような羽をもつ)、ハラナガ蜂(土の中に巣を作る)などを目撃。また何とか残された崖では特徴的な3種のシダ゙、子持ちシダ、穂シダ、ホラ(洞)シノブ(これは紅葉する)などを初参加の人に教えながらいわゆる「老人の畑」といういつもの見晴らしの良い休憩場所に着きました。今日はいろいろ話も弾んで(これがこの会の良いところで、あることに関連していろいろな薀蓄がKさんの中から引き出されてくるからでしょう)ここに来るまでに11時過ぎになっていました。空には薄い雲が広がり風も吹いてきて、これまでの蒸し暑さが和らぐ感じでした。ところがこれが前兆でした。間もなくぽつぽつと雨粒です。実はこれからが本番の谷戸歩きなのです。
各自持参の傘を開いての谷歩きとなりました。最初はそれほどではなかったのですが、途中から激しくなりました。木の多いところで暫らく雨宿りをしてという考えも出ましたが、そのまま歩き続けることになりました。ここからの道中では観察は出来ず、ただ滑らないように、足元を気遣いながら歩いていきました。それでもキンミズヒキ草の美しさなどを道端に感じとりながら…。
解散場所にたどり着いたころ、雨はほとんど止んでいました。もう少し早く老人の畑を出ていれば、谷戸歩きの時激しい雨に合わなかったかもしれませんが、その前にのんびりといろいろな説明を聞きながら歩いたことで、初参加の人がとても面白かったと言っていたので却ってよかったのかもしれず、何とも言えませんが、とにかく予測が難しい山歩きの例を教えてくれた今日の歩く会でした。

家に帰り着くころにはもう陽がさしていました。窓から見ると遠い北の空には雄大な入道雲…。ここから眺めていると白く輝く美しい雲も、その下ではきっと急に暗くなって雨になっているのだろう…などと思うのでした。
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残暑の台峯歩き [台峯を歩く]

この季節、台峯歩きもさぼることが多いのですが、集合場所までのアスファルト道路は暑いものの、谷戸歩きのほうが家にいるよりも却って涼しいと思って出かけました。お盆明けの事もあり、やはり参加者は少なく、理事のほかは常連だけの10人余り、案内役のKさんもリラックスした感じで、いろいろ自分の体験(蜂に刺され死にそうになったことなど)や好み(人間ではなく植物の)なども語り、全体としてくだけた、のんびりした歩きになりました。
蝉もツクツクボウシが加わります。でもこの法師蝉が今年は少ないようですが…?

この季節は目を引く花、昆虫のくる花は少ないのですが、それでも草原や道端、木陰に生える目立たない花、つる草などがやっと昆虫たちに食糧を供給しているようです。
山の手入れなどでは厄介者とされるヤブガラシ(わが家でも見つけ次第退治します)は、蝶や蜂をたくさん集めるそうで、彼らにとってはありがたい。ヘクソカズラ(小さいながら可愛い花なのに、こんな名前では可哀そう。名前を変えてやる運動をしよう!などと冗談交じりにDさん、でもいったん名前が決まったら、それを変更することは、植物学会ではできないのだそうです。だから日本では別名でヤイトバナと言われているので、そう読んであげましょう、などとも)。馴染みの烏瓜の花(これは昼間は萎んでますが)、樹木としてはクサギ、道端にはミズヒキソウ(普通は赤いのですが、黄色のキンミズヒキ、白い花のギンミズヒキもあり、それぞれ見られました)、ダイコンソウ(キツネノボタンに似た小さな黄色い5弁の花)。ムラサキニガナという、キク科で花弁を閉じた形で俯いて咲く小さな花ですが、それがタンポポのように綿毛になる雑草など。
樹の下には、薄紫色のヤブランや白い小さな花をつけるヤブミョウガ(これらは日当たりがあまり良くないわが家の庭にもたくさんある)。そしてコヒルガオ(普通のヒルガオより小さい)、またちょっと珍しいタマアジサイ(この季節に咲く)など。

さてあまりに細かいことばかり書きましたので、ここで田んぼの事を書きましょう。
第一の田んぼは青々とした葉の間にたっぷりと実った稲穂が首を垂れ、その上をシオカラトンボが飛び交っていました。第2の田んぼは谷間なのでやはり遅く、まだ稲穂の生育も遅れていましたがこの厳しい残暑は、実りにを促すことでしょう。

見晴らしのいい「老人の畑」の木陰で休憩、ここでKさんのはちに刺されて死にそうになった時の体験談なども出て、蜂に刺された時はどうしたらよいか、教えられたのでした。とにかく手で払ってはなりません。蜂を怒らせてしまったのですから、ただひたすら平謝りの態で(姿勢を低くして)逃げ出すこと。一匹くらいから刺されてもそれを良しとして、それ以上刺されないように(その他の蜂も狙っているのだそう)こちらが暴れると何匹も襲ってくる、走って逃げてもあちらのほうが早いのですから、などと。

さてKさんの好きな植物に、今日も出会いました。ミズタマソウ。花はルーペを使ってみないと分からないくらい小さい白菊に似ていて実が水玉のようになる。そのほか葉っぱがヤマイモに似ているオニドコロというつる草です。これも花は花穂で、それも花であるかどうか分からない地味なもの。
「とにかく目立たない、ひっそりとした地味なものが好きなんですね」と皆は言い、「この長い花穂は繊細で、少しの風に揺れているところなど、素敵でしょう」などというのにも、「ふーん、そうですかね」などと、いつものことながら誰も聞き流しているだけです。でもそういうちょっと変わり者でオタクのKさんを尊敬し、その熱意と知識に感服しているのでした。

出口近く、これもKさんの指摘で分かりましたが、カラスザンショウの葉に、カラスアゲハが卵を産み付けているところを目撃しました。この蝶の幼虫は、この木の葉を食べてさなぎになるのだそうです。

さて今回の歩きも、誰も熱中症にもならず無事に終わり、来月のマツムシの声を聴く日の予告を知らされ解散しました。
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お盆(新暦)の台峯歩き [台峯を歩く]

九州北部で未曾有の被害をもたらしている梅雨末期の前線が北上しつつあるようですが、この辺は曇り空で、湿気はひどいものの風があるため歩くのには幸いしました。

お盆で連休のためか参加者は少なく、ゆっくりとモニタリングもしながら歩きましょうとKさん。昨夜はホタル観察会もあり、その前は山の手入れもあり、人数が少なかったのはそのためもあるでしょう。私はそれらをさぼっていたので、これに出ることができました。蛍は、この時期は平家ホタルで、源氏が少し残っているという状態。平家は光も弱く低い場所にいるので、源氏のような華やかさはなく、数はまあまあだったようですが、私も参加した前回が一番良かったようです。

この時期の見どころは、半夏生(半化粧)です。この辺りの湿地ではここが一番広範囲で見られるそうです。鮮やかな白でお化粧した姿が見られる時期が歩く会の日程にぴったりと合う日は年により違ってきますが、今回はそれがぴったりでした。ある場所では(半)ではなく(八分)くらいが真っ白ということもありました。その他セリやヤブミョウガの白い花。
それらの中で黄色のダイコンソウが目立ちます。ヤブカンゾウやネジバナは終わりごろ。ムラサキニガナというのも赤紫ですが小さく俯いているので地味で目立ちません。ところがこれが1メートル近くにまでなり、タンポポのように綿毛になって飛び立っていく、その寸前の姿が見られました。ジャノヒゲも薄紫の花穂をつけますが地味です。
その他可哀そうな名前を付けられたハエドクソウ(昔はこの葉っぱを蠅取り紙に使ったとか)、ヤブジラミなど。また馬を冠したウマノ・ミツバ(葉っぱが3枚ずつつく)、オオバ・ウマノ・スズクサなど。
ヤマイモに似ているけれどそれとは違う、オニドコロという厳つい名前の付いたものも、同じ種類でもヒメドコロという名前がついているのは面白い。姫のほうは葉っぱも少し細身で、地味な房のような花も鬼よりも長く全体として繊細なのである。


樹の花としては合歓の木ですが、なぜか今年は花が少ない感じもしました。実はこの近くの六国見山では、いつもはあちこちに見られるのに今年はまだ目にしないからです。その他カラスザンショウやアカメガシワの花(これらは黄色っぽく花という感じに見えない)。

この梅雨の時期、どんなに小さい庭でも草木はどんどんのびる。切っても切っても新しく伸びるのだが、それに白い小麦粉のような物がつき、それを枯らすようなのである。嫌なカビとも虫ともつかぬその正体を今日初めて教えられた。アオバ・ハゴロモだという。ずいぶん綺麗な名前だなあ…。幼虫は白いだけだが、成虫になると青みを帯びた体に白い羽をつけ、手で触ると跳ねて飛び去る。これが羽衣だなんて…、あまりにも良い名前を付けたものだと、あきれる感じ。

参加者の中には、初めてではありませんが板橋から来た人、また都内在住の高校3年という学生で大学では環境問題に係わる学部に行きたいという初参加の若者がいました。老齢化の進んできた歩く会の皆、特にKさんは期待する感じで、何をやるにも植物が基本だといろいろ話しかけ自分の考えを伝えていました。昆虫に詳しいようでした。
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蛍の宴、今年はよく飛びました。 [台峯を歩く]

昨夕はホタル観察会でした。昨年は数が少なかったのですが、今年は沢山出ているとのこと、いつものように「歩く会」の出口に6時半に集合、暗くなり始める7時頃から谷戸に入りました。奥までゆっくり歩き、また帰ってくるといういつものやり方です。

Kさんは来られないとの事で、このところ毎日のように様子を見に来ているMさんが案内役です。でも参加者は少なく全部で6人でした。今年2回目だということもあります。
たくさん見られるということで期待しながら歩き出しました。少しずつ暗くなりはじめますがまだ蛍の姿は見えません。でも帰るときにはこの辺でも見られるようになるとMさん。湿地帯の淀みになるところで向こうからやってきたのは若い夫婦と子供の4人。やはり蛍を見に来たと言いますが、蛍が出るのはこれからだと言われ私たちに合流。
条件は上々とのこと。雨がよく降り風がなく蒸し暑い夜だからです。それゆえ足元だけを照らせる懐中電灯、出来れば長靴が最適です。今年は雨がよく降ったので、細い道はドロドロです。足元に気を配りながらゆっくり目を凝らしているうち、誰かの「アッ、見えた」という声。これが幕開けです。ピカッと、茂みの中に青白い小さな光りが見えました。「あ、見えました」と、つい声をあげてしまいます。その後あちこちで、明滅がはじまり、次第に数も増してきます。そのうちふうわりと飛び立つものもあり、ゆらゆらとこちらに近づいてきたりします。低い茂みから高い樹の梢、洞穴のようなところ、湿地帯の上など、目を凝らします。皆光りの強い源氏蛍のようです。Mさんによれば、100頭(蛍は匹ではない)ぐらいとのこと。昨年は40頭ぐらいと言ってましたからよく見られた方ではないでしょうか。一緒になった子どもたちは初めての経験だとのこと。よかったですね。でも前にも書きましたが、これらの蛍は全くここで生まれ育った地元蛍です。今はあちこちで養殖が盛んで、ホテルなどでは一斉に沢山の蛍を放つ催しなども行われ、それらはもっと派手な演出になるでしょうが、ここの蛍は生粋の地元蛍であることが貴重なのです。そんなことも子どもに誰かが伝えていたようです。昨年は数は少なかったかわりに、時期的にずれ込んだせいか同時に平家(光りがよわよわしい)も見られましたが、平家の観察会は第3回目7月14日だとのことです。
谷戸の奥まで行き着き、さてUターンしている時に思わぬことに遭遇しました。私たちの後からやってきたグループの、ルナールの蛇の「長すぎる」ではありませんが、長い長い列とすれ違うことになったです。「長いのでゴメンナサイ」とは言ってましたが、延々と続く列、保育園の児童たちとのことですが、一人の児童に保護者は1人以上はついているわけで、その騒がしく延々と続く列をやり過ごさなければなりませんでした。
私たちも自然の侵入者の一人なので咎めることはできませんが、静かで真剣な蛍の宴には、あまりにも大勢で騒々しい観客です。しかしここが公園として正式に発足すればこのようなこともしばしばとなることでしょう。Kさんだったらもっと静かに!というでしょうが、とMさん。

今年は、Mさんたちが多いと思っていた場所にはほとんどいなくて、違った場所に多く見られたりして、蛍たちの居場所がかなり変わっていたようです。たぶん台風がきたので、それに吹かれて山側に移動させられたか、自分たちで場所を変えたかしたのかもしれないとか。いろいろ自然の試練に適応して蛍たちも生き延びるために総力を尽くしているのでしょう。
最近、自然が荒々しくjなった、というのが誰もが抱いている感想でしょう。これは人類が自ら招いた結果なのか、はたまた自然からの人類への警告なのか? そんなことも考えさせられる夕べでした。
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初夏の台峯歩き・ノイバラ(野生のバラ)の宴 [台峯を歩く]

今日は台峯歩きの日。少し朝は肌寒く、曇りがちですが陽も射してくる、歩くには良い日和でした。
集まった人12人ほどの少人数でしたから、ゆっくり観察し、Kさんの薀蓄にも耳を傾けながらのんびりと歩いたので、時間も1時間ほどオーバーしてしまいました。

やはり季節は1週間から10日、遅れ気味。今は春と夏の野草が入れ替わる端境期で、観察はイネ科やスゲ類、またシダなどの地味なものになってしまいます。でもよく見れば、それはそれで面白さがあります。
5月の花には白いものが多く、ハルジオン、卯の花と言われるウツギ、マルバウツギ、箱根ウツギ(これは紅白)など。樹木としてはエゴノキ、その葉っぱには「落とし文」も葉を丸くして下がっていました。紫の諸葛菜や小さい野草ですがコバノタツナミソウ(小葉の立浪草)なども。
そして今日は、オギハラに刈り残しておいたノイバラの群落がちょうど花の盛りで、匂い立っているからそれを見に行きましょうと、それを楽しみにあるきだしました。
駅に降り立つ人は、この時期青臭い匂いが辺りに満ちていることに気づくかもしれませんが、それは椎の大木から放たれる椎の雄花の匂いです。それが昆虫を誘い、受粉をさせるのです。

第一の田圃は、今畔作りの最中でした。畔は毎年古いのを少し壊して、新しく作り直すのだそうです。今ではそれをコンクリートで固めたり、板囲いにしたりしますが、それでは田圃の生態系を保存することにはならないことを、説明を受けて教えられました。これは手間・暇がかかります。今では成算の合わぬ行為です。でもそれによって日本の里山の生態系は保たれてきたのです。そういう一見無駄な行為によって、人間の農業と自然の生物たちとは、共存できたのです。経済的合理化は、そういう農業の敵ですね、とKさん。皆で宝くじでも買って一発当てたらここが買えるのですけどね…と。
その半分だけやっと畔が作り変えられた田んぼの水たまりでは盛んにシュレーゲル・アオガエルが鳴き、まだ卵もオタマジャクシも泳いでいて、その上をここだけに多いシオヤトンボ(シオカラより少し小さく、尾の全体が白い)がすいすい飛んでいます。
この時期、渓流ではカワトンボが見られます。それもオスの羽が透明なのと、オレンジ色なのとがいて、メスはすべて透明。その縄張り争いの様や、そこでメスがやってくるのを忍耐強く待ち続けるオスの様子まで、Kさんにかかると昆虫のドキュメンタリーとなってしまい面白いこと限りありません。そういう事もあって道中は時間がかかってしまったのです。
その他、ヤマサナエというトンボ、また大変貴重で、この谷戸にしか見られないというヒゲナガハナノミという蛍くらいの大きさの昆虫も見ることができました。
昆虫は、生態系を考えるうえで大変重要なのだが、植物より実態がつかめず、またその変化も説明できないことが多いということです。蝶もそろそろ姿を見せています。

さて、鳥ですが、今数が減っているというツバメの姿はこの辺ではまだ見られますが、ホトトギスの声を私はまだ聞いていません。台峯では鳴いているとのことでしたが、今日は耳にできませんでした。
キビタキが鳴いているとのことですが、私はよく聞き取れませんでした。エガラの幼鳥もいたとのこと。中国から渡来したガビチョウも六国見山にもいるようです。ちょっと話が混乱しましたが…。

最後に、出口に近いオギハラの中にあるノイバラの茂みのことを述べて終わりにします。
園芸種のバラよりも強い匂いで小さな白い花が乱れ咲いていて、皆で取り囲んで声をあげました。
小さな昆虫たちがいろいろ飛び回っています。熊蜂も来ていました。この花は沢山の昆虫を呼ぶのだそうです。シューベルトの野ばらもこのようなものだろうか、などと言ったりしました。これも花期が終われば刈り取られてしまうでしょう。ひと時の、台峯のバラの宴でした。

来月はもう蛍の季節になりました。早いものです。
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「台峯歩き」、珍しく桜に出会う。 [台峯を歩く]

歩く会は、毎月第3日曜日と決まっているので、4月に桜と出会うことはほとんどない。例年ならば若葉になっているからだ。ところが今年は開花が遅れ、しかも1日が日曜日だったこともあって、花の盛りに出会ってしまった。昨日は冷たい雨が終日降って、これで散ってしまうのではと思っていたのに、はかなく見えるその花の命は思ったよりはたくましく、ほとんど満開のまま残っていたのである。勢いのあるもののエネルギーだろうか。
空気は雨に洗われてすがすがしく、午前中は陽射しもあって(午後遅くから曇ってきたが)、山際は薄霞におおわれながらも、急な暖かさに一斉に芽吹き始めた様々な色合いの緑の中に紅の彩をそえて、歩く会としてはたぶん初めての花見の会ともなったのではないだろうか。
この辺りで春の初めにまず目に付くのはキブシの花だが、それがまだ残っていて、桜と同居しているのなど、これも例年にない光景である。


桜だけではなくその他の花や昆虫も春と初夏のが一緒に今見られる、まさに「北国の春」の様相だと、Kさんも顔をほころばせながら言う。道端には小さな花をつけた野草がいっぱい。立ち壺スミレは我が家の庭もそうでしたが、ここでも例年になく多く、ムラサキケマン、ホトケノザ、オドリコソウ、カキドオシ、ホウチャクソウ、ヤブニンジン。
田んぼにはタネツケソウ、タガラシ、そしてもうシュレーゲル・蛙が鳴きしきってうるさいほどでした。

鳥たちも帰っていく冬鳥とやって来る夏鳥がともに見られるとのこと。桜の咲くころはその蜜を吸いにメジロやヒヨドリがやってきますが、そのヒヨドリは実は渡り鳥で、その群れを先日見たという言う。(10月から11月、北に帰っていくが全部ではなく一部はとどまっているという)。
この辺りの地形は縄文時代からの地層が残っていて、その断層が見られる崖もある。また海に近い旧鎌倉方面は、水質が悪く古くは水を買っていたという。それに反して北斜面が多い北鎌倉辺りの水質はよいというのを初めて聞いた。そういえばわが家の辺りはあちこちに湧水があるのも、山の水を集める川がないので、それが地層を通って湧き出ているのであろうか。

見晴らし台に当たる通称老人の畑からの眺めは素晴らしかった。すなわちここは、前回ブログに入れた六国見山が、線路のある谷間を挟んでちょうど真向かいにみえる丘陵であるからだ。「花と柳を扱き交ぜて」というなだらかな山の風情と色合い、また鶯があちこちで啼き「処処啼鳥を聴く」という一節が思い浮かぶ。

歩きの終わりごろに寄る水辺では、トビゲラ、カワニナ。そしてまだ少しだがアメンボウがすいすいと、またホトケドジョウも泥の中からちょっと姿を見せたりした。

今日の歩きは異常気象もあっての幸運な一日となったが、これを幸いとするかはたまた心配の種とするかは微妙だが、とにかく自然というのはいくら観察を続け研究してもいつまでも分からないことばかりである、というのがKさんの持論である。ということで、この今を十分に楽しむことしかない。
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遅れている春の野を歩く(台峯) [台峯を歩く]

先日の日曜日は台峯歩き。春は名のみの寒さ…の日が多く、花も10日から3週間も遅れているそうです。
我が家の周りも、やっと梅が咲くそろっていく感じでしかし寒いのでなかなか散らず、ながく鑑賞できます。本場の河津桜は満開だそうですが、ここはやっと咲き始めたくらいです。

さて台峯ですが、参加者は14、5人でちょうどいい人数、この時期、野の花自体少なく、それでも豆粒ほどの小さな花たちが咲いていますから、ゆっくり観察しながら歩くわけです。野の花も当然遅れており、野鳥も少ないそうです。それでもウグイスはちゃんと鳴いてくれているしその姿も見せてくたのは頼もしい限りです。アオジも見られました。
この月に一番目につく、小さいながら紅色の美しい花ウグイスカグラも、蕾のままが多く、キブシも遅れています。庭では勢いが良すぎて嫌われ者になるアオキは、雄蕊と雌蘂がもう膨らんでいました。
ここでも植物や鳥たちの名はおおくカナ書きにして、というのも今は皆それが標準ですが、漢字にするとその名付けの訳やその植物の姿までが彷彿とすることが多く、とても面白いということは誰もが感じていると思いますが、今日観察できた花たちの一部をその漢字で書いておくことにします。
ウグイスカグラ(鶯神楽)ホトケノザ(仏の座)、タチツボスミレ(立壺菫)、ツルカノコソウ(蔓鹿の子草)、ヒメウズ(姫烏頭)、ヒサカキ(姫榊)―黄色の小さい粒状だが香りがいい。ヤマネコノメソウ(山猫の目草)―山猫ではなく、山の猫の目の意味という。よく知られたオオイヌノフグリは書くまでもないでしょう。しかしなぜ「オオ」(大)なのかというと分からないそうです。「コ」(小)はないそうです。

蛙のために湿地の中にこしらえていた池に、ちゃんと卵がうみつけられているのを発見し、皆で喜び合います。蛙たちは時期を少しずつずらしながら次々に生んでいくそうで、今は蝦蟇の卵。また、その卵(透明なホースのようなのが少し濁った水たまりにあるのを教えられ、そのような長い卵の紐を初めて見た)が流れのある渓流にあったのを(流されてしまうかも知れないので)湿地の池へと理事さんたちが引越しさせたのは見ものでした。そんな風に地味な草花たちですが、今日も面白く歩き終えました。

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